工事評点について
当社の、岩手県営工事のうち昨年の平均点は93点でした。ですから、92点を取ると
「平均点を下げてすいません」
となります。
他社の人からは
「高い点数を取るために頑張っているんですよね」
とよく言われます。
お客様に喜んでいただく
という意味では、半分は当たっています。しかし、半分は違います。
先日もこんなことがありました。
当社の社員が、重機のドアを閉めずに運転して、ドアに指を挟んだのです。まあ、大丈夫と思ったらしいのですが、念のために病院に連れて行きました。発注先や監督署にも報告をしました。結局、なんでもなく、帰ってきてそのまま作業を続けました。
その結果、この事故がもとで工事評点が下がりました。
はっきり言って、工事評点を高くとる、が目標の会社だったら、発注先や監督署に連絡をしないところもあると思います。
しかし、我が社は違います。点数を高くとることより、社員の安全が大切です。
今回も、この社員に対しては
「自分の不適切な行動で、評価が下がった。この結果を受け入れ、軽率な行動はしないように」
と指導します。もちろん、現場全体としても、そうならない仕組みを考えます。ここで、点数も下がらなければ、やれやれよかった、となり何も変わらないと思います。
お客様からの厳しいご指導があるからこそ、社員を教育するチャンス、現場の仕組みを変えるチャンスをいただけるのです。
ですから、当社の現場ではどんな小さな不具合でもお客様に報告することにしています。たとえ点数が下がろうが、そのことで成長するチャンスをいただけるなら、そちらの方がありがたい。
表彰というのは、過去に対してであり未来への何の保証もありません。しかし、減点というご指導は未来を変えるチャンスです。
社員とその家族を守るためにも、あらゆる手段で成長し続けることの必要性を痛感しています。